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東武紀行
桑名の城主、其身は幕府に在ながら、家郎に仰て、さきだつて三日迎舟給はる、薄暮に宮の前おいだす、七里の渡なり、 過熱田前初月寒、三更雨進不心安、征帆遅速風消息、渡是厳陵七里灘、十六日の明がたに桑名につく、此渡おこえて、人皆東路の難おのがれたる心地しぬ、