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東海道名所記

宮より桑名まで七里舟渡し 楽阿弥申すやう、このわたしは、木曾川のすそ也、水出ぬれば上りがたく、夕さしぬれば又心易し、されども風はげしければ乗にくし、佐屋へまはりてよし、又そのかみは、何時にても舟お出しけれ共、ちかき比、由井正雪が事よりこのかた、昼の七つ過ぬれば舟お出さず(○○○○○○○○○○○○○)、今日は日も暮ぬ、明朝早く舟にのるべしとて、男ともろともに宿おとりぬ、