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遊囊剰記
二十
志賀須香渡(○○○○○)は、当国〈◯三河〉に名お得し所なれども、今は跡なくなりて語も伝へず、隻国府のあなたに、御津渡津の名あるお其一証とすべきか、又伊勢の国府より此国府へ贈れる歌に、志賀須香の渡、遥に海お隔てとよめるも、此辺お指に似たり、吉田に宿する夜、古老と此事お論ず、