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都紀行

廿九日、〈◯文久三年十二月〉駿河遠江の堺といふ大井川の河原にいたり、名に聞へたる流れもたへだへにて、わづかに二せ三瀬なるお橋にて渡り、中に少しく広き流れお、河越さす者にたすけられ渡り得て、八間家、一け島、しみづばし渡りて、〈◯下略〉