[p.0467]
太平記
三十一
八幡合戦事附官軍夜討事 宰相中将殿〈◯足利義詮〉は、〈◯中略〉三月〈◯文和元年〉十一日、四十九院お立て、三万余騎、先伊祇寸三大寺にして手お分つ、或は漫々たる湖上に、山田矢早瀬(やまだやばせ)の渡舟の棹さす人もあり、或は渺々たる沙頭に、堅田高島お経て駒に鞭うつ勢もあり、