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享雑の記
前集下
先板の訛舛予〈◯滝沢解〉が曩に著したる燕石雑志は、例の倉卒の間に草したりければ、誤れる事少からず、〈◯中略〉同巻物の名の段、〈津は舶の通ずる所なれば通(つう)歟、万葉集に川おつとよみたり、〉解再案ずるに、阮籍荘論雲、通訓之川、回謂之淵、本邦にて川字お通と訓ぜしこと、これに本づけり、津の訓もその義おなじ、〈又爾雅の川の下お案ずるに、通回のことは、注疏にもなし、但説文雲、川貫通流水也、是より出たり、〉