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顕註密勘

身おづくしとは、みおしるしなり、江河のふかき所に木おたてヽ、これぞみおとしらすれば、それおみおとしりて、船おばのぼりくだすなり、濈ともかき、澪ともかき、万葉には水尾ともかけり、又水隻衝石とかけり、国史には、難波江に始立澪漂之由しるせり、其所おばみおづくしといふと、土佐日記にみえたり、世俗にはみおじるしといひ、和歌には身おづくしとよむお、歌にみおじるしとよむ人侍り、くちおしき事也、 江水のふかきしるしにたてたる水と許心得たる、たがひ侍らざりけり、