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信長記
十一
九鬼右馬允大坂表大船推廻事 同〈◯天正六年九月〉廿七日、九鬼右馬允〈◯嘉隆〉大船共御覧有べきとて、信長公住吉へ著津し玉ふて、同廿九日、安部野於て御鷹狩し給ひぬ、〈◯中略〉十月朔日、天気おだやかに風静なれば、彼大船共お旗指物幕などにて火くかざり立、浦々湊々の兵船どもまでも、其手々々の船じるし、我おとらじと美麗尽しけり、御座船二艘金襴鈍子お以かざり立、堺南北の津より捧げ奉る、猶御気色よかりけり、〈◯下略〉