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万葉集
十九
天平五年贈入唐使歌一首并短歌〈作主未詳〉 虚見都(そらみつ)、山跡乃国(やまとのくに)、青丹与之(あおによし)、平城京師由(ならのみやこゆ)、忍照(おしてる)、難波爾久太里(なにはにくだり)、住吉乃(すみのえの)、三津爾舶能利(みつにふねのり)、直渡(たヾわたり)、日入国爾(ひのいるくにに)、所遣(つかはさる)、和我勢能君乎(わがせのきみお)、懸麻久乃(かけまくの)、由由志恐伎(ゆヽしかしこき)、墨吉乃(すみのえの)、吾大御神(わがおほみかみ)、舶乃倍爾(ふなのへに)、宇之波伎座(うしはきいまし)、舶騰毛爾(ふなどもに)、御立座而(みたヽしまして)、佐之与良牟(さしよらむ)、磯乃崎々(いそのさき〴〵)、許芸波底牟(こぎはてむ)、泊々爾(とまり〴〵に)、荒風(あらきかぜ)、浪爾安波世受(なみにあはせず)、平久(たひらけく)、率而可弊里麻世(いてかへりませ)、毛等能国家爾(もとのくにへに)、 反歌一首 奥浪(おきつなみ)、辺波莫越(へなみなこしそ)、君之舶(きみがふね)、許芸可弊里来而(こぎかへりきて)、津爾泊麻泥(つにはつるまで)、