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類聚名物考
地理二十八
水門〈古事記〉 みなと 湊 湖〈万葉〉 水のあつまる門戸故に、水のかどヽいふなり、乃加の約は奈となれば、すなはちみなとヽいふ、みは水の約なり、湊は唐の文字にて、万葉集には湖お訓ぜるは、これも水のあつまる所故なるべし、〈◯中略〉 湊 みなと 水門 湖〈万葉九〉 湊は輻湊などつヾけば、物のあつまることおいふなり、万葉集、延喜式には湖字お書り、水海とは異なり、日本紀〈十四雄略〉にもみな水門と書り、水のせまれる所なり、迫門せとヽいふも、せまる戸なり、是は海門おいふ、門戸にたとへたるなり、〈◯下略〉