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古事記伝
二十六
淡は安房国なり、〈東之と雲は、四国の阿波と分むためなり、◯中略〉そも〳〵此時淡は、いまだ一国の名には非ず、上総国の内にて、其水門と雲は、安房と、相模国御浦郡の御崎〈今も御崎と雲〉との間お、大海より入海に入る海門なり、〈此入海は、東は上総、西は武蔵、北は下総にて包めり、淡水門は、其南方の口なり、さて今天皇の、此水門お渡坐しとあるは、還り上坐道にて、上総より相模へ渡り賜ふなり、〉さて此に定と雲は、天皇の渡坐しにつきて、始めて此名お定賜へりとにや、又始めて此海路の開けしお雲にもあるべし、