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東遊雑記
二十
石の巻は、奥州第一の津湊(○○○○○○○)にて、南部仙台の産物此地へ出て、江戸に積、大坂へ廻る、故に諸国よりの入船数多にて、繁昌のみなとなり、案内のものより申上しは、市中千四十七軒、寺院十八け寺、社十壱といひし事ながら、湊村蚫田村といふ所にては、予がつもるところ三千軒余もあるべし、娼家も数家見へて、人物言語も大がいよき所なり、