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東遊雑記

廿八日〈◯天明八年六月〉大山村出立〈五里廿四丁〉酒田(○○)の浦に止宿、此所羽州第一の津湊(○○○○○○○)、市中三千余軒商家にて、人物言語大概にて、諸色乏しからず、九州中国及び大坂より廻船交易の為に往来して、此津に泊して国中の産物お積事也、大船は宮の浦の川口に寄せ、酒田までやう〳〵三百石積の船ならでは入らず、酒田より川口まで三十五丁有、鶴が岡直道僅に七里、