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長崎記

長崎と名付由来之事 一長崎昔は深江浦とて、片田舎にて世上に知るもの希也、然るところに文治の比、頼朝公より長崎小太郎と雲者、此深江浦お給住居す、彼小太郎深江浦お興立するに随て、商船等近郷江往来す、しかれば於所長崎ものと申、終には深江の名お失ふ、小太郎末葉於于今大村因幡守家中に有り、