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初心階梯集
道中筋往来心得之事 一御関所は、馬駕籠共下乗し笠お取、番人詰居候所に罷越、元〆之手形可差出、通り候様申聞候はば可相通事、〈◯中略〉 一御料私領口留番所は、多分乗打いたし候へども、加賀の国の口留番所は、領主之番所にて大造にいたし置、女にても下乗為致候仕来之由、彼是相拒候、然れども女は強而申張候へば、乗物之まヽ通し候、右体之所え差懸り候はヾ、病人は格別、無左は何となく歩行にて通るべし、男は勿論なり、彼是論じ候て益なし、恥辱にも外聞にもなるまじき事、