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甲陽軍艦全集

天文十六丁未二月二十四日、板垣浅利両侍大将に、旗本より原美濃お警固にて村上方へ働、〈◯中略〉板垣衆六十騎返して勝負おはじめんとするお、敵見取、早々引揚る、板垣衆跡おしたはんとせし処に、原敵味方の間へのりわり、さいはいにて打廻し、如何にも手早に連て戻る、是は美濃五十歳の時也、敵の馬迄此方へ取来る此手柄に因て甲州笹子峠関役所お千貫に積り下さるヽなり、