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袋草紙

竹田大夫国行と雲者、陸奥に下向之時、白川の関すぐる日は、殊に装束ひきつくろひむかふと雲々、人問て雲く、何等の故哉、答雲、古曾部入道の秋風ぞふく白河の関と読れたる所おば、いかでかけなりにては過んと雲々、殊勝の事歟、 能因実には不下向奥州、為詠此歌、窃に籠居して下向奥州之由お風聞雲々、二度下向の由あり、於一度者実歟、書八十島記、