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類聚名物考
地理五
関迎 せきむかへ やがて来らんとする人お、程おかんがへて、その道の関所まで迎ひに出るおいふ、人お送るも多くはせきまでおくり、舟には湊津まで迎送が如し、唐の人もかヽる事おなじ習ひにや、王維の作れる詩お、今の世迄もひとお送るには、かならず主客たがひにとなへて、別れおおしむ事あり、これお陽関三畳といふなり、その結句に、西出陽関無故人といふにこそ、八月の駒引に関迎とて、相坂関まで迎に出る事あり、