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円珠庵雑記
〓〈しぎ〉神代紀に〓山祇(しぎやまづみ)、これは麓山祇(はやまづみ)にのぞむるに、常にもはやましげ山とよみて、深くしげれるおしげ山といふ、それにかくかりてかヽれたればしげとしぎと通へることしるべし、 真淵雲、しぎの語は、繁おつヾめいふは、さることながら、鳥のしぎはさる意にはあらじ、余り思ひよせ遠し、且繁山おしぎ山といふは古語なり、それお違へしめじとて、こと様の字おわざと仮りたる物なり、然れば却りて鳥のしぎは同じ意ならぬなり、