[p.0690]
松屋筆記
八十一
雄山雌山 山に、雄山あり、雌山(○○)あり、福山(○○)あり、貧山(○○)あり、盛山(○○)あり、衰山(○○)あり、仏祖統紀四十二の巻、法運通塞志八、〈二丁う〉唐の代宗の大歴三年、詔〓忠国師入内、引太白山人見之、師曰女薀何能、山人曰、識山、識地、識字、善算、師曰山人所居、是雄山雌山、慌然不知対雲々、与清曰、富士山は雄山也、物お産せず、伊豆の天城山は雌山也、物お産する事おほし、近江の三上山は貧山なり、孤立して草木繁茂せず、金石お出さず、福山は形豊に張起して、金銀玉お出すおいふ、盛山は日光比叡山などおいふ、草木栄えて山形冨饒也、衰山は焰火たえず、草木生ぜず、国に害ありて、山形かじけたるおいふ、 三蔵法数十六の廿六丁おに、四山の事あり、老山、病山、死山、衰耗山也、大蔵法数十九の十三丁、祖底事苑七の十丁にも、