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類聚名物考
地理十五
嶺 ね 岳 不二のね、甲斐がね、筑波ねの類ひは、みねの略言なり、仮字に根と書しによりて、心得違へて、山の裾の事と思ふは僻事なり、今俗に、富士の根方などヽて、裾の山口のわたりお雲はその意にて、木草の根は下に有り、枝葉は上に在るより、転りて心得しものなり、みは真と同じく、ほむる事にいふ詞なり、俗に家の上お、屋根と雲ふにてしるべし、家棟(むね)なり、むねみね相通へり、剣太刀おも〈みねともむねとも〉雲ふなり、