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東雅
二地輿
丘おか 義詳ならず、〈◯中略〉上古は丘おばおと雲て、谷に対し言ひけり、八岐大蛇、蔓延于八丘八谷之間、味耟高彦根神、映于二丘二谷之間といひしが如きこれなり、おかといひ、たにといふは、起(おき)と絶(たつ)といふの謂にて、山起立ち、山隔絶つ義なるべし、〈おきといひ、おかといふ、転語なり、たちといひ、たにといふ、転語なり、〉丘読ておといひしお、また尾の字お仮りておと読む、旧事紀に見えし八丘八谷の字、古事記には八谷八尾としるせしが如きこれなり、〈後人尾上と志るしておのへとよむこと、これらによるなるべし、〉其後丘陵岡岳等の字、読て并におかといふ事になりて、峯嶺の字、読ておといふ事にもなりたり、