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藻塩草
四山
岡〈名所〉 おかひ〈おかべ也〉おかべ かた岡 かの岡〈草かるおのこ、又かのおかは、たヾこのおか也、〉岡こえ 卯花のさきちる岡 むかひの岡 我岡〈万、はぎおよめり、名所にはあらざるか、〉野中の岡 岩代岡〈きの国、かやねおむすぶ、松、しみづ、さゝ、竹、〉 あさひこが八重さす岡 今城岡〈同、藤、時鳥、松、〉そともの岡 春岡〈万〉伊奈岡〈未勘、つくばねに雪かもふらば、〉井飼岡〈やまと、雪み、こもりみ、まくさ、〉入日岡〈未勘、はしたかのすゞのしの原かり暮ぬ入日のおかにきヾすなく也、〉かた恋岡〈わうしう、こヽにしも何かしるらん玉ざヽやうきふししげきかた恋のおか、まつ、ほとヽぎす、〉かた岡〈山城、しいま河、かり、きり、あしたの原は、もみぢ、わかな、きじ、春雨、雪、わかな、わらび、月、玉のお、柳、すそのヽ原、ちる木のは、あふ事はかたおかともそへたり、恋也はヽそ、鹿、小はぎ、しのヽは分の秋風、あは雪、岩ねのこけぢ、せみ、まくず、ひばり、花、ほとヽぎす、すヾしかりけり、あられ、おどろがうへ、むらすヽき、あはれおやなき身、もりのゆふだすき、又同名やまとにあり、〉かめ岡〈同、万代に、千世おかさねて、松のみどりお、さヽ原、或はあふみ、〉神楽岡〈同、ほとヽぎす、茅、かり、うづら、備中に同名あり、おとめこが袖ふりはへて、松、すヾむし、わかな、〉かた野岡〈かはち、きじ、かり人、〉かたち岡〈やまと、女郎花、〉つるが岡〈さがみ、松、万代のこえ、柳原、〉つヽじ岡〈わうしう、みちのくのつヽじのおかのくずかつらつらしと君おけふぞしりぬる、〉ならしの岡、〈やまと、時鳥、わがせこ、雪、鹿、さねかづら、よぶこ鳥、ふるさと、〉並岡〈山しろ、松の白雪、もみぢ、ふもと、寺、月、もり、しいしばまきばしら、すみれ、かるかや、〉なぎさの岡〈わたつうみのなぎさの岡の花すすきまねきぞよする奥津しらなみ〉長岡〈都、ながおかべ、みやこうつりの事、延暦三年五月四日、蛙多難波より天王寺へ入ぬ、此事遷都の相也と雲雲、〉向岡〈むさし、或河内、ますかヾみ、白雪、花、草のねおたづねて、〉なこえ岡〈つの国、すみよしの名こえの岡の玉づくりかずならぬ身は秋ぞかなしき、〉やしほの岡〈山しろ、もみぢ、くれない、時雨、いろふかき、〉山岡〈いよのたかねのいさにわの山おかにたちてうたおもひ、〉山なし岡〈かひ、行水のたえずぞ君お恋わたる、なし、月、〉くらはし岡〈大和、雪、〉まゆみの岡〈やまと、とくらにてかひし雁の子すだちなばまゆみのおかにとびかへりきね、宮ばしらよそにみしま弓のおかに君ませばところみかどととのいするかも、〉とけなし岡〈やまと、ほととぎす、〉鶯岡〈やまと河内、〉船岡〈山しろ、野中にたてる女郎花、ねのひの松、すそのヽつがのかず、わかな、かすみ、〉波瀲岡〈河内、さくら、すヽき、松風、〉あとみの岡〈なでしこの花ぶさたおり〉あうひ岡〈やまと、ふくふえのやしろの神はおとにきくあそびのおかや行かへるらん、〉佐田岡〈やまと、とのいしにゆくあさ日てる、よしもなく鳥、たち花のしまのみやこ、又しまのみよし、〉いさには岡〈いよ〉佐野岡〈きの国、さむきあさげ、こえ行人、秋風、さヽばかりしく、雪、〉さなづらの岡〈未勘、あはまきかなしきがこまはたくともわはそともはじ〉幾波津久岡〈同〉きりふの岡〈未勘、たつきしは、千世のひつぎ、もみぢ、〉きぬがさ岡〈山しろ、あめのみや、女郎花、ふぢばかま、〉ゆききの岡〈やまと、萩、雪、たび人、花、くず、あすからはゆきヽのおかとそへたり、花すヽき、〉水ぐきの岡〈あふみ、木の葉色づく、かり、くず、かや、ふかやねの、かり枕、月、さヽ、はつしぐれ、やかた、雪、あさち、きり〴〵す、小田、やかた、おのたかやかたにいもとあれど、又水ぐきのおかの葛原とも、〉しげき岡〈やまと、神さびたちてさかへたるちよの松、八雲御説にはしげ岡と計り、きの字なし、〉しのぶ岡〈奥州、女郎花、〉忍岡〈河内、ほとヽぎす、はつ草、わらび、かけ草、八雲御説には、しのびのおかとつヾけられたり、〉茂岡〈やまと、色かへぬ松のみどりはしげおかの神さびたちていくよへぬらん、〉御こし岡〈山しろ、みゆき、これはさがの行かうの時、みこしかきすへたてまつる所也、駄餉所也、〉すみよしの岡〈つの国、松かささしつれば雨はふる共、田、〉人見の岡〈八雲御説〉えみのかた岡〈するが、おこなふ事おするがなる、〉いなむら岡〈たむば、君が代はいづれの里もおしなべていなむらのおかとなりにけるかな、〉いはての岡〈わうしう、くちなし、もみぢ、むもれ木、〉とも岡〈八雲御説〉杜鹿岡〈するが、秋の夕霧、〉となりの岡〈八雲御説〉ほしあひの岡〈ふし也〉かたらひの岡〈八雲御説〉よごもりのねがひの岡〈万、名所か、〉