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倭訓栞
前編十六都
つヾらおり(○○○○○) 馬お御するに、何遍も馬も〈◯も恐お誤〉引廻す式あり、是お葛折といふ、名目抄にもしか書せり、葛お折が如くに折返し折返しする意也、〈◯中略〉九折坂おつヾらおりの道といふも義同じ、吉野郡の村名に、九尾おつヾらおりとよめり、枕草紙に、遠くて近き物、くらまのつヾらおりと見えたり、文選の道互折、又盤折おもよめり、新六帖に、 青つヾらつヾらおるてふしげき野はとほりがたくぞ駒もやすらふ 前大膳大夫藤原政宗、山家雪お、 中々につヾらおりなる路たえてゆきにとなりのちかきやまざと、伊達弾正少弼宗遠男、応永二年九月卒、