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山城名勝志
十葛野郡
嵐山〈在大井川の南法輪寺の西〉 五鳳集雲、〈嵐山看花 瑞渓〉城西三里是嵐山、二十年来百往還、人已数茎新白髪花猶一笑旧紅顔、亀山の仙洞に、吉野山の桜おあまたうつし植て侍りしが、花の咲けるお見て、〈続古〉春ごとに思ひやられし三吉野の花はけふこそ宿に咲けれ 太上天皇 〈亀山殿七百首〉あらし山暮るよりふる五月雨に更てぞ滝の音はきこゆる 左大弁宰相公明 〈新千載〉あらし山是もよし野やうつすらん桜にかヽる滝のしらいと 後宇多院 〈同〉さしもこそいとふ憂名のあらし山花の所といかでなりけん 前関白〈自嵐山観音堂二町許前、道左、古被移芳野時勧請する蔵王堂の跡今存、土人呼権現の坦、〉