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都名所図会

嵐山は大井川お帯て、北に向ふたる山なり、〈亀山院、吉野の桜おうつし給ひし所とす、〉 〈新千〉あらし山是もよしのやうつすらん桜にかヽる滝の白糸〈後宇多院〉〈新古〉思ひいづる人も嵐の山のはに独ぞいりし有明の月〈法印静賢〉 〈続千〉あらし山麓の花の梢までひとへにかヽる峯の白雲〈前大納言為氏〉