[p.0738]
和州巡覧記
初瀬(はつせ) 泊瀬とも書、又長谷とも雲、此地三輪より先は、両山澗水お夾んで、谷中長き故に長谷と書なるべし、隠口(こもりく)のはつせと雲も、山の口かくれこもりて、おくふかければいへるなり、桜井より是まで一里半有、麓の町民屋多し、長谷寺は、元正天皇養老五年に創立、又文武天皇の御時、徳道上人これお造立すとも雲、