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万葉集
一雑歌
幸于吉野宮之時、柿本朝臣人麿作、 八隅知之(やすみしヽ)、吾大王之(わがおほきみの)、所聞食(きこしめす)、天下爾(あめのしたに)、国者志毛(くにはしも)、沢二雖有(さはにあれども)、山川之(やまかはの)、清河内跡(きよきかわちと)、御心乎(みこヽろお)、吉野乃国之(よしぬのくにの)、花散相(はなちらふ)、秋津乃野辺爾(あきつののべに)、宮柱(みやばしら)、太敷座波(ふとしきませば)、百磯城乃(もヽしきの)、大宮人者(おほみやびとは)、船並氐(ふ子なめて)、旦川渡(あさかはわたり)、舟競(ふなぎほひ)、夕河渡(ゆふかはわたる)、此川乃(このかはの)、絶事奈久(たゆることなく)、此山乃(このやまの)、弥高良之(いやたかヽらし)、珠水激(いはヾしる)、滝之宮子波(たぎのみやこは)、見礼跡不飽可聞(みれどあかぬかも)、 反歌 雖見飽奴(みれどあかぬ)、吉野乃河之(よしぬのかはの)、常滑乃(とこなめの)、絶事無久(たゆることなく)、復還見牟(またかへりみむ)、