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奥義抄
下の上
もろこしのよしのヽ山にこもるともおくれんと思ふわれならなくに 此歌、ものしりたりとおぼしき人は、李部王の記に、吉野山は五台山のかたはしの、雲に乗て飛きたるよし見えたり、さればもろこしの吉野の山といふ也など申せども、今案とぞきこゆる、たヾ心ざしふかきよしおいはんとて、もろこしのよしのヽ山とは、いまいひでたることなり、