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清正記

此後藤と雲者は、日本松前之者なり、猟船に乗、風に放され、せいしうへ著、廿年彼所に居住するに依て、おらんかい口おも、日本口おも自由に遣ひよき通詞故、清正重宝せられ、則二郎と名も付、あなたかなたの案内お申付られし、せいしうより、天気能時は日本の富士山殊之外近くみえ申候、彼所よりはひつじさるにあたり、松前より北なり、