[p.0799][p.0800]
倭訓栞
前編十六都
つくば 常陸筑波山は、二尊お祭れりといふ〈◯中略〉常陸風土記の説に、筑波神社は、木花咲耶比〓お祭ると見ゆ、筑波山に、男体山女体山あり、其顚き相隔つ十八町也、女体山の下に潮呼の鐘あり、此山より海に至る十五六里あり、然るに山に潮来などいひ伝ふ、まヽあらめなど石につけりと雲也、海は鹿島お近しとす、男体山女体山の間より、みなの川流る、下に至りてさくら川と雲、恋およめるによれば、二尊お祭に近し、又さくら山に多し、桜川の名によれば、木花開耶姫なるべくや、