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万葉集
九雑歌
撿税使大伴卿登筑波山時歌一首并短歌 衣手(ころもでの)、常陸国(ひたちのくにの)、二並(ふたなみ)、筑波乃山乎(つくはのやまお)、欲見(みまくほり)、君来座登(きみきませりと)、熱爾(あつけきに)、汗可伎奈気(あせかきなげき)、木根取(この子とり)、嘯鳴登(うそむきのぼり)、岑上乎(おのうへお)、君爾令見者(きみにみすれば)、男神毛(おのかみも)、許賜(ゆるしたまへり)、女神毛(めのかみも)、千羽日給而(ちはひたまひて)、時登無(ときとなく)、雲居雨零(くも井あめふる)、筑波嶺乎(つくは子お)、清照(さやにてらして)、言借石(いふかりし)、国之真保良乎(くにのまほらお)、委曲爾(つばらかに)、示賜者(しめしたまへば)、歓登(うれしみと)、紐之緒解而(ひものおときて)、家如(いへのごと)、解而曾遊(とけてぞあそぶ)、打靡(うちなびく)、春見麻之従者(はるみましゆは)、夏草之(なつぐさの)、茂者雖在(しげくはあれど)、今日之楽者(けふのたのしさ)、 反歌 今日爾(けふのひに)、何如将及(いかヾおよばむ)、筑波嶺(つくは子に)、昔人之(むかしのひとの)、将来其日毛(きけんそのひも)、