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遊囊剰記
二十五
伊吹山は、七高山に列して、一名お弥高山といふ、此山江濃に跨ける故に、神社も亦両国に立ること、譬ば富士の駿甲に於るが如し、此夏に引替て、麓なる草野、姉川、藤川等、何れも水患なく打過て、玉の宿に憩し、関原へ出る、