[p.0889][p.0890]
怪異弁断
五地異
山崩 弁断、山崩も、地裂地陥と其理同じ、土中に坎穴多くして、堅実ならざる処有て、分崩する者なり、或は土中鬱伏の陽気、時に奮発して山崩る、或は時節有て、自然に崩るもあり、何れも和漢に多き事也、日本の金山、年久しく堀穿ちたるもの、崩れ陥りたるものあり、又自然に山崩るヽもあり、貞享元年四月八日、越前阿胡山鳴動して半崩る、其広一里に及で湖水と成、又世俗の説に、螺貝地中より出る時、必ず山崩ると雲り、螺貝の出るに因て、山崩るヽ歟、山崩れたるに因て、螺貝出たる歟、不可知、