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倭訓栞
前編三十四也
やまびこ 菅家万葉に山彦と見ゆ、もと山霊おいふ也、新撰字鏡に〓およめるは心得がたし、万葉集に山響およめり、ひこはひヾきの急語也、或は〓(りやう)およめり、谷中の響と注せり、俗にこたまといへり、新六帖に、 世中にむなしき谷のひヾくおばたれ山びこと名づけそめけん、新撰字鏡に竜胆お山びことよめり、