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倭訓栞
前編三十三毛
もり 林叢おいふ、盛の義なるべし、杜およむは、日本紀、新撰字鏡に見えたり、杜はかつらとよみて、神地に殖るもの也、よて万葉集に神社およめり、神名式の神社の字しかよむべきにや、ひもろぎおいふなるべし、ろぎの反り、ひお略す、社地には必ず林叢あり、俗に森およむは盛也と注し、木多貌と注せるおもて也、又史記に、畢在鎬東南杜中、注に、徐広曰、杜一作社と見えたれば、杜と社お同意に用たるにや、委くいはんには、もりは樹おもて神体としたるおいひ、やしろは神舎お構へたるおいふ成べし、六帖にも、人づまはもりかやしろかとならべよめり、