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東雅
二地輿
野の 義詳ならず、古語にのといひしには、伸るの義なるあり、古語拾遺に、楽の字お釈して、手お伸すの義也と雲ひけり、のしといひ、のすともいひ、のぶとも、のびともいふが如き、そのしすふひなどの言葉、皆これ語助なり、古時野の字読てなといひし如きは、のといひ、なといふは転語なり、また古語になと雲ひしは無(な)也、莫(な)也、其義あるなり、さらば野おのといひし事は、其平遠壙闊の義なるに似たり、〈凡屈めるものお伸しぬれば長し、また蹴めるものお熨(の)して平になすおものすといふ、其義并に同じ、〉