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源氏物語
一桐壺
ほどへばすこしうちまぎるヽこともやと、まちすぐす月日にそへて、いとしのびがたきはわりなきわざになん、いはけなき人もいかにと思ひやりつヽ、もろともにはぐヽまぬおぼつかなさお、いまはなおむかしのかたみになずらへてものし給へなど、こまやかにかヽせ給へり、 みやぎのヽつゆふきむすぶ風のおとに小萩がもとお思ひこそやれ