[p.0948]
東雅
二地輿
原はら はらとは開也、古語にはらしといひしは、開く事おいひしかば、日本紀に開の字読てはらしとは雲ひし也、遼遠おはるかといふも、開け遠きの義也、今も筑紫の方言に、原おばはるといふなり、古に又読てあらともいひけり、あらとははらの転語にして、即是開也、又古語に天之原、海原、河原など雲ひし類は、はらとは辺(ほとり)也、日本紀に、川上の字おかはらと読しが如きこれなり、また松原、檜原、杉原など雲ひし類は、はらとは林也、日本紀に竹林の字おたかはらと読み、松林の字お読てまつはらといひし、並にこれなり、