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源平盛衰記
三十四
東国兵馬汰并佐々木賜生唼附象王太子事 高綱〈◯中略〉由井の浜に打出て聞ければ、大勢は大底昨日夜部に鎌倉お出たりと雲、さては駿河国浮島原の辺にては追付なんと思て、十七騎にて打て、殿原殿原とて、稲村、腰越、片瀬川、砥上原、八松原馳過て、相模河お打渡、大礒、小礒、逆和宿、湯本、足柄越過て、引懸引懸打程に、其日は二日路お一日路に著、河宿に著にけり、尋れば案に違はず、大勢駿河国浮島原に引たりと雲、