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甲斐国志
三十八古蹟
山梨郡万力筋 一中牧(あかまき) 牧の庄は窪八幡以北加美の郷一体に称之、笛吹川の東は今西保、徳和等の山に入会の村々、慧林寺、河浦入りともに皆此庄に隷すと見ゆ、蓋安田遠州の所領なるべし、中世笛吹の東、琴川の北、岩手の南及び西保等お除き、中央お中牧と称せり、杣口、千野宮、城古寺、窪平倉科是なり、塩山の抜隊語録に、牧の庄宝珠寺とあり、同く東養軒の所蔵、天正の御朱印に、中牧に作れり、此寺は窪平村に在り、永禄の番帳に、中牧の禰宣とあるは、千野の宮村中牧大明神の神主お雲へるなり、又此村に庄司屋敷、小手屋敷と雲処もあり、古事伝はらず、