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建武年中行事
八月
十六日、信濃の駒ひき、甲斐の穂坂已下、あまたあれども、ちかごろはたえたり(○○○○○○○○○)、かひの御馬、そこの一両年おぐしいでられたる、望月ばかりは今まで絶ず(○○○○○○○○○○○)、上卿陣のざに著て解文お奏す、宰相、弁、少納言、近衛づかさ、おの〳〵建礼門の前にて床子につきて、御馬たまはる、近衛づかさ、弁、位次官す、おなじからざるおり論あり、本儀は別の床子なれば、あながちあらそひあるべからず、さと内裏にて、一列に床子たてたるおりあらそふなり、院春宮など、引わけの使にて、近衛司御馬ぐしてまいる、禄あり、うち〳〵御覧などありて、御馬おえらばる、