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公事根源
八月
駒牽 十六日駒牽の外は(○○○○○○○○)、近代みな逗留(○○○○○○)のよしなり、 けふは信濃の勅旨の牧の馬お奉る、六十匹なり、もとは十五日にて侍りしかども、朱雀院の御国忌にあたるによて、十六日になさる、天皇南殿に出御なりて御馬お御覧ず、上卿御馬の解文お奏す、事はてヽ公卿以下次第に御馬お給はる、馬のさしづなおとりて、御前にすヽみて一拝す、取のこしの御馬おば、引分の使とて、次将おもて、院、東宮など然るべき所々へまいる、十七日には、又甲斐の国の穂坂御馬おひかる、二十日には武蔵国小野の御馬四十匹ひかる、其外秩父御馬二十匹、立野の御馬十五匹、毎年にたてまつる、二十三日には信濃望月の御馬二十匹、二十八日には上野御馬五十匹ひかる、さしたる事なし、