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宗長手記
敵川のむかひにうちいで射矢雨のごとし、数万の軍兵やす〳〵とうちわたす敵はすなはち引入ぬ、敵の城六つ、七つめぐり五十余町の内おひこめ、六月より八月まで攻らる、城中そこばくの軍兵、数日おへて、八月〈◯永正十三年〉十九日に落居、安部山の金堀おして、城中の筒井、こと〴〵くほりくづし、水一滴もなかりしなり、