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本朝世事談綺
四歳時
【入梅】(つゆ)【の】【井】(い) 摂州矢田郡丹生山田庄原野村栗花落(つゆ)理左衛門第宅に井あり、渡り三尺、深さ一尺、常に水なし、梅雨に入てかならず涌出す、その水口の数お以、入梅の日お定む、終に姓と成りて、栗花落(つゆ)理左衛門といふ五月栗の花の落る頃は、入梅の時節なるが故に、栗花落(つゆ)と書り、〈◯下略〉