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類聚名物考
地理三十五
十六井 鎌倉に十六の井と雲ふ有り、岩窟の内に小池お十六並べ穿て水お相かよはせり、その水清冷にして、めづらしきものなり、黄檗木庵の題詠お石に刻めり、後人の作れるなるべし、是は唐の封氏が聞見録巻一に、道教老子廟の条に引る郭縁生が述征記雲、老子廟中有九井、汲一井八井皆動、即其地也、と見えしも、よく似たることなり、