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類聚名物考
地理三十五
井 井水の濁りて清浄からぬには底お入べし、利馬竇が著せる泰西水法に井の底お作るには、木お下とす、磚これに次、鉛お敷お上とすと見えたり、又は金魚鯽魚お数多入置もよし、魚は水中の土垢お喰て清からしめ、水も又味美しといへり、今も蝦夷そうやなどいふわたりは、水あしくて濁る故に、井の底に蛤蚪の類ひおいれ置ば、水おのづから清しとかやいへり、