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藻塩草
五水辺
温泉〈同名所〉 塩温 いづる温、御温、いで温、つくしのゆ〈古今の詞に侍り、九州何の所可勘、〉伊予温〈いよのゆのいげたはいくつ数しらずかぞへずよまず君はしるらん、ゆげたは多事にいへり、源氏、〉有馬温〈摂津、行基開給、三輪神まします、珍しきみゆきお三輪の神あらばしるし有馬の出湯なるべし、〉走温〈いづの国山の南にいづるゆのはやきは神のしるしなりけり、〉那須温〈下野那須の郡、神社あり、なぞもかく世おしもおもひなすのゆのたきかゆへおも、〉犬飼御温〈しなの、鳥の子はまだひなながらたちていぬかいの見ゆるはすもりなりけり〉筑摩温〈同上、又筑摩御温共雲り、〉七久里温〈同 つきもせず恋に涙おつくすかなこや七くりのいでゆなるらん〉蘆苅温〈相模蘆かりのとひの河内に出るゆの世にもたまらずいはなくに〉ましらこの浦の走温〈きの国、或いせ、〉かつまたのみ温〈美作〉まくまのゝ温〈きの国〉御熊野温〈同上、みくまのヽゆこりの丸おさすさほ、〉さはこの御ゆ〈陸奥 よとヽもになげかじ君おみちのくのさはこのみゆといはせてしがな〉名取御温〈同上 おぼつかな雲のかよひぢ見てしがなとりのみゆけはあとはかもなし〉