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東海道名所記

社〈◯走湯権現〉より西のかた一里ばかりに温泉あり、熱海と名づく、うしほのみちひにしたがひて、岩のはざまより煙むしあがりて、ことの外にあつき湯出てはしるお、筧にて家々にとり、槽にたヽへて人々に入せ侍る、よろづの病によしといふ、