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北国紀行
山中おへて、いかほの出湯に移りぬ、〈◯中略〉 一七日いかほに侍りしに、出湯の上なる千巌の道お遥々とよぢ上りて、大なる原あり、其一かたにそびえたる高峯あり、ぬの岳といふ、麓に流水あり、是おいかほの沼といへり、